来春発刊予定の外科周術期の「掟と理論」。その内容を一部早出ししていきます。書籍発刊まで今しばらくお待ちください。


ドラゴンの掟
その壱: 術後発熱のメカニズムを熟知せよ
その弐: 手術部位以外の感染症を見逃すな
その参: 抗菌薬を使用する前に培養を採取せよ
なぜ、術後は発熱するのか
消化器外科の術後は、特に合併症がなくても、しばしば発熱する患者を見かけます。特にリンパ節郭清を伴うような悪性腫瘍の手術では、術後2日目に38~40度くらいの発熱があっても、それ以外に異常所見がなければ経過を見る外科医が多いでしょう。では、3日目、4日目の高熱はどうでしょうか? また7日目頃に37.5度くらいの微熱を診たら、どのように考えるでしょうか?
術後の発熱はいつまで続くのか
術後患者の「異常」な発熱を見抜くためには、手術ごとに、許容範囲内の発熱期間を知っておく必要があります。もちろん、手術の種類や内容によりますが、ここでは一般的な手術として、幽門側胃切除術とS状結腸切除術の経過について、術後の標準的な熱型を示します。これは「合併症を起こさなかった場合」の症例の平均の体温をグラフにプロットしたものです。

術後患者の発熱 原因と対応について
発熱時の対応について詳しくは、外科レジデント&周術期管理に関わる医療者のための「外科周術期の掟と理論」総論編(金芳堂出版)をお楽しみに。2022年2月頃発刊予定です。
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